「で?進展は?」


1日目の学園祭終了し、軽い片付けが始まった時、相沢がそう話しかけてくる。

「進展ったって、あいつ俺のこと好きじゃねーもん」

「私には、幸ちゃんも黒田くんのこと好きに見えるけどなー」


「見えるだけなんじゃねーの?」

「…もうこの際、チューしちゃえば」

「無理矢理か?犯罪だぞ」

「せっかく私と小池くんが協力してるのに」


「岡本に言えよ」

「…うん」


誰がなんと言おうと、俺は岡本に振られてるし、岡本は俺と付き合う気がない。



ゴミ拾いをしてる岡本を見つめる。



俺じゃ、ダメなのか?岡本。



自分が思ってる以上、岡本のことを思ってる。


まだ岡本のこと何にも知らねーし。



「黒田くん!」

ぼーっとしてると、岡本に声をかけられる。


「…あ?」


「あ?じゃなくて、ちゃーんと掃除してよ!明日ももっともーっと、たこ焼き売るんだからね?」


「わーってるよ」

「じゃー、はい、これ」

岡本にゴミ袋を渡される。


「なんだこれ」


「捨ててきて?」


ッチ。


「はいはい、どーせ俺はパシリですよー」


「かっこいいぞー!黒田くん!」


「バカ…」

ムカつきながらも、岡本の笑顔を見ると、自分も自然と笑顔になる。



岡本の視界にいつも入っていたい。



そう思った。