「それで……何の話かな?」 あたしは、笑みを浮かべたまま、渚くんを見つめる。 「うん、選択授業何にしたかなって、思って」 「えーと、あたしは……園芸かな」 高校2年生に上がると、特別授業という好きな授業を選択できる制度がある。 他に、ダンスとか、マナーとか、ディベートとか変わった授業がたくさんある。 あたしは、花に興味があったから、園芸を選んだ。 「なんだ、俺と一緒だ!」 「えっ……渚くんも?」 あたしは少し驚いた。 渚くんは男の子だし、まさか園芸を進んで選ぶなんて…。