水男(ミズオ)

高山は廊下の隅にある
ガラス張りの部屋の中に入り


空気清浄機付きの灰皿の前で
タバコを取り出した。


このオフィスにはまだ
屋内に灰皿がある。


高山は煙草に火をつけると
煙を深く吸い込んだ。


初めて見た時から
気になっていた。


明るい笑顔に
いつも癒されていた。


しかしその笑顔の主は
自分に全く気が付いていない。


そして俊介に熱い視線を
送っているのに気が付いた時


高山は生まれて初めての感覚に
陥った。

嫉妬。

高山がため息と一緒に
吐き出した紫煙が


あっという間に
空気清浄機に吸い込まれていく。


「あいつは絶対怪しい。

そうに決まってる」