水男(ミズオ)

高山はため息をついて
スマホを取り出した。


ぐりぐりと指を動かして
高山はあるサイトにたどり着いた。


掲示板。


「だれか来てるかな」


そうつぶやいた高山は
見ているスレッドの

タイトルを見つめる。


<おめぇらに聞くが

ボクって知ってっか?>



ボク。



高山はスマホの画面を
無表情で見つめている。


しかしそのスレには
まだ全然コメントが

ついていなかった。


立ち上った高山。


山積みの仕事を
放り出し


オフィスを出ていく。


心には鬱屈した
感情が渦巻いている。


亜美は俊介しか見ていない。


その当たり前すぎる現実が
高山の表情をさらに暗くさせる。