水男(ミズオ)

亜美は怒った顔をしながらも
もう高山を相手にせず

パソコンのモニターに向かって
自分に与えられた仕事をこなしていく。


高山はいやらしい笑いを
浮かべながら


独り言のように
言葉を続けた。


「突然彼女が失踪したんなら
一番怪しいのは誰だよ?


誰が考えてもわかる。


彼氏だよな?


そんなことは
誰でも思うことさ。


この前来た
刑事じゃなくても


誰でも簡単にわかることさ」


高山は仕事をする俊介を見つめた。


俊介は来客の応対を笑顔で
こなしてる。


「あの完璧な笑顔。

あんな完璧な笑顔を作れる奴は
絶対怪しい。

あいつはなんか隠している」