笑顔の亜美が時計を見ると
もう12時50分。


「もう時間なので
仕事に戻りますね。


失礼します」


頭を下げた亜美が
階段を下っていく姿を


俊介は見つめていた。


「ちょろいな」


つぶやく俊介。


「こんなに簡単にうまくいくと
拍子抜けしちゃうよ。


ははは」


俊介が唇を歪めて笑い出す。


俊介の頭の上には
どす黒い欲望と対照的な

青い空が広がっていた。