水男(ミズオ)

頭で考えるより
身体が先に動いていた。


「自殺なんかダメです!」


叫んだ亜美はシュンスのところまで
ダッシュした。


驚いた顔の俊介に
なりふり構わずしがみつく亜美。



「え?どうしたの?」


驚いた顔の俊介。


必死な顔の亜美は俊介から
決して離れない。


「自殺なんかダメです!

恋人が失踪して悲しいでしょうけど
死んだりするのは違うと思います!」


俊介は不思議そうな顔をして
フェンスから降りてきた。


目の前に立っている俊介をみて
ほっとした亜美は


へなへなと屋上の床に
座り込んでしまった。


すると俊介は笑顔で
手に持っていたものを亜美に手渡す。


「え?風船?」

風船を渡されて
全くわけがわからない亜美は


ぽかんとしている。