殺したという言葉を聞いた瞬間
太田は笑った。


「殺しただと?
どこに証拠があるんだ!

いい加減にしろ!


小学生だからって
手加減しないぞ」


太田は小学生にこぶしを振り上げて
近づいていく。


でも小学生は逃げようとしない。


「証拠はないよ。


でもね。ボクはわかったんだ。


ボクが殺したと言った瞬間
太田さんの耳がぴくっと動いたんだ」


太田の動きが止まった。
汗が止まらない。


太田は汗をぬぐいながら
小学生を見つめる。


「耳?ふざけるなよ」


「太田さんは本当に
友達を殺したみたいだね。


今、太田さんの毛穴が
きゅっと閉まったよ。


こんなに暑いのに
太田さんは鳥肌が立っている。


変なの!ははは!」