若い男は汗をだらだら流しながら
顔を歪めている。


「な、なぜ俺の名前まで
知っているんだ?}


その言葉を聞いた瞬間
小学生は腹を抱えて笑い出した。


苦悶の表情の大人と
笑い転げる子供。


最高気温35度の
誰もいない公園に広がる


まるで異次元のような光景。


小学生は笑うのを突然辞めて
太田を見据えた。


「名前は誰でもわかるよ!

さっき太田さんがコーラを買っている時に
財布の中の免許証が


見えたんだもん」


小学生はそう言って
唇を歪める。



「太田さんはボクの
友達を殺した」