水男(ミズオ)

23階のオフィスに着いた亜美。


アンニュイな顔をして
窓から地上の景色を眺める。


ビルの入り口に集まっている
大勢の人々を見下ろした亜美は


つぶやいた。


「ふははは……人がゴミのようだ!」


「馬鹿なこと言ってるよコイツ」


一瞬ビクッとなった亜美が振り返ると
そこに立っていたのは高山だった。


アニメの悪役のような独り言を
聞かれた亜美は


なんだか恥ずかしくなって
下を向く。


そんな亜美を見て少し笑った
高山はこう言った。


「とにかく無事でよかった」


高山の言葉に
何の反応もしない亜美。


下を向いて黙ったまま。


高山はため息をついた。


「絶交だったよな。俺とは」


高山の言葉を聞いて
亜美が顔を上げた。


高山をじっと見つめた亜美は
無言で首を振った。