水男(ミズオ)

汗を一筋たらした高山君は言った。


「なんで卑怯だって思ったことが分かったんだ?」


高山君の言葉を聞いても
表情を変えないボク。



どういうことだ?


どうなってんだ?


こいつは心の中が
覗けるのか?


そんなわけない。


そんなやつ現実に
いるはずない。


もし居るとすれば……


カードの中の世界だけ。


高山君は自分の手に持っているカードを
じっと見つめた。


予言の魔女。



魔女はかわいい顔をして
カードの中から高山君に


にっこりと笑いかけている。


そして現実に目の前に座っているボク。


しかし目の前にいるボクは
笑いかけてくれるわけでもなく


じっと高山君を見つめている。


「ちひろ、この子は迷っている。
チャンスよ。


頑張ろうね」


ボクはちひろに笑いかける。
ちひろもボクを見つめてにこりとする。


本当にこの二人は仲がよさそうだ。


ちひろが言っていた
私達は2人で1人という言葉も


あながちウソではなさそうだと
思う高山君。