水男(ミズオ)

俊介が邪悪な心で
亜美の裸体を見つめている時


高山はカードの店で
ゲームをしている客を見つめていた。


ゲームをしているのは
高山と同じ年くらいの若者で


皆一様に
モテないオーラを


いかんなく発散している。



カードゲームをやっていても
間違いなく女の子にはモテないという



証明であるかのような
若者のたまり場に


高山は立っていた。


対戦相手を見つけた高山が
慣れた手つきでカードを操る。


「ほう……それを防御表示ね……なるほど」


高山が対戦相手のターンを見つめながら
つぶやいた。


相手の作戦など
すべてお見通しという


高山の余裕な笑顔。


「じゃあ俺のターンだな。


どんなに防御しても無駄だぜ。


俺の最強カードで
一気に決めさせてもらう。


いでよ!


アルティメットドラゴン!」


そう言って高山は
アニメの主人公のように


カードを机に叩きつけた。


勝ったと確信している
高山の得意げな顔。


しかし


対戦相手は
高山のカードを見て


肩を震わせて
笑い始めた。