水男(ミズオ)

酔いが回った亜美を
椅子に座らせた俊介は


ウェイターにタクシーの手配を
頼んだ。



「あと水をもらえるかな?


ボルドー産のミネラルウォーターを
頼む」


笑顔でうなずくウェイター。


しばらくすると
テーブルの上に2つのグラスが置かれた。


透明で美しい水。


俊介は笑顔で網に微笑む。


「ミネラルウォーターを飲んで酔いを醒ますといいよ」


亜美は小さくうなずいた後
水を少し飲んだ。


「おいしい……」


つぶやくような声の亜美。


亜美の様子を見届けた俊介は
自分も水を口につけた。


おいしい。


水を飲むと体の底から
どんどん力が湧いてくる。


力をつけた俊介は
亜美を抱きかかえながら


ベイエリアのレストランを
後にした。