水男(ミズオ)

「もうそろそろ帰らないと……」


亜美はそう言って立ち上がった。


しかし酔いが回った体は
思うようには動かない。


立ち上がった瞬間
よろける亜美。


でも亜美は地面に倒れることなく
俊介の腕にキャッチされていた。



「大丈夫?」


俊介が優しい笑顔で
亜美に尋ねる。


母親譲りの端正な顔。


俊介の顔はどこまでも
美しい顔をしている。


亜美を見つめる俊介のまなざし。


ゆっくりと口を開く俊介。


「僕の家に来て少し休む?」


俊介の言葉に少しびっくりした亜美。


でも亜美は俊介を見つめた後
小さくうなずいた。


「ちょうど良質の肉が手に入ったんだ。
僕の家で肉料理をごちそうするよ」


「ありがとう。うれしい」


とろんとした目で答える亜美。