ごった返す駅の中で
壁にもたれた高山は


何もできない自分を責めながら
駅の天井をじっと見つめていた。


「亜美……危ない目にあうんじゃないぞ」



高山の願いは天に届くのだろうか?


それから高山は


ずっと壁にもたれかかって
動こうとはしなかった。