会議室で研修が始まった。


数々のカリキュラムを
頭に詰め込まれて


促成栽培されていく亜美。


でも今日はまったく
研修の内容が頭に入ってこなかった。


俊介。


俊介がペンを渡してくれた時
ほんの少し指が触れただけで


亜美は心臓の鼓動が高鳴った。



「高校生じゃあるまいし……」


自分の心臓の鼓動に
自分で突っ込みを入れてみる。


でも胸の鼓動は
今も高鳴ったままだ。


恋?


自問自答してみる亜美。


仕事を覚えるより先に
社内恋愛してしまいそうな勢いの自分に


あきれ果ててみても
やっぱり


亜美は俊介に
恋をしてしまった自分がいることに


気が付いていた。