水を飲んで落ち着いた俊介は
カーテンを開け放ち


窓を開けた。


潮風の独特のにおいが
部屋の中に入ってくる。


俊介の家の窓からは
美しい海が一望できた。


今は夜の闇を吸い込んで
真っ暗な海だが


夕日が落ちていくときの
光り輝く海は


時を忘れるほど
美しかった。


「ママ以上の女性なんているはずない。
僕の出会った女はクソ女ばかりさ。

そうだ!


ママに紹介するよ。僕の彼女を」


海を眺めていた俊介はそう言って
キッチンにある巨大な冷蔵庫の前に


立ちはだかる。


「クソ女たち
元気だった?」


そう声をかけて巨大冷蔵庫を開けると
そこにはポリ袋に入った死体が入っていた。


切断された無残な死体が
恨めしそうに俊介を見ている。

死体を見て微笑む俊介。


「僕が出会う女は自分のことばかり主張する
クソ女ばかりさ。


みんな私を見て!私にかまって!
ばっかり言ってくる。


ママのような優しさを持っている女性なんて
本当にいない」