「お疲れさま、俊介さん」


笑顔でそう言う美里。


俊介は微笑を浮かべながら
美里の横に座った。


俊介は


真理子を自分の家で
ひねり殺したことも


亜美と屋上でキスをしたことも


まるでなかったことのように
今度は美里に笑顔を見せている。


美里の俊介を見つめる目は
間違いなく恋をした女性のもの。


俊介は目の前に置かれた日本酒のコップを
美里の前に掲げた。


「美里の笑顔に乾杯」


そう言って酒を飲み干す俊介。


美里は俊介の言葉に照れて
赤い顔で下を向いた。



好きな人と飲むお酒のおいしさに
酔いしれる美里。


ワインを飲むピッチが上がる。


美里を笑顔で見つめる俊介。


美里は俊介に他愛のない話をして
笑っている。


俊介は笑顔。


美里の首筋をじっと見つめながら
無言で笑っていた。