考えごとをしている平野に
中村が気を利かせて


お茶を持ってきた。



机に置かれたお茶を見て
にっこりと笑う平野。



しかし中村はムスっとした顔をしている。


「いくら平野さんが超能力者だからって


いらないことを横田君に言うのは
辞めてくれます?」


赤い顔をして怒っている中村を見て
平野は笑い出した。


頭を掻いて謝る平野。


「すまんね。いらないお世話だったな。


余計な口を叩くとこういうことになる。
以後気を付けるよ」


口をとんがらせて
中村は自分の席に戻っていく。

その後ろ姿を見つめながら
平野はつぶやく。


「余計な口、余計な行動をするから
感づかれる。


だったら相手が動くのを
待つしかないか……」


お茶を一口飲んだ平野。


「あ!あっつい!
あちちち!

中村さんこのお茶異常に熱いよ!


口の中やけどした!」


そう叫んで苦しむ平野を見て
ニヤリと笑う中村。


この小さな復讐劇が終わり


これから
大きな復讐劇の幕が開こうとしている。


しかしまだ
平野のオフィスは


平和なままだった。