水男(ミズオ)

中村は疑いのこもった眼を
平野に向けている。


「本当に平野さんは昔


優秀な刑事だったって
本当ですか?」


「だった……と
過去形で言われるのは心外ですね。



今現在も
ナンバーワンの優秀な刑事ですよ」


そう言って平野は
冷蔵庫からコンビニで買ってきた


三色団子を出してきて
おいしそうにほおばっている。


ニコニコしながら
団子を食べるおじさんを見つめた中村。


あきれ顔で
ため息を一つ。


「私は部下からも鬼刑事と呼ばれて
恐れられていたんですよ。


本当ですよ!」


平野が力説すればするほど
中村の疑いは深くなっていく。


すると平野は一瞬悲しい目をして
窓の外を見つめた。


窓の外は夏の強い日差しが
降り注いでいる。


「あの日もこんな暑い日でした」


食べ終わった団子のくしを
ゴミ箱に捨てた平野は


中村を見つめた、