水男(ミズオ)

平野はそう言った後
ため息をつく。

そして
緊張する部下たちの前で
平野の怒声が響き渡った。


「だが私は犯人が憎い!


私のすべてをかけても
あの子を殺した犯人を逮捕する。


犯人の首に縄をかけて
法廷に引きずり出してやる!


分かったか!」


平野の言葉に部下全員が
直立不動の敬礼で答える。


その様子を見てうなずいた平野。


「よし。結構。

しかし捜査に私情を絡めることは
良くないことだ。

私は悪い例だから
皆は真似をしてはいかんぞ。


以上。各自捜査に入れ」



部下たちが見守る中


平野は立ち去ろうとする。


すると平野は1人の部下の前に
立ち止まり



声をかけた。


「ん?おまえの奥さん。
もしかして子供が出来たか?」


そう言われた部下は
びっくりした顔。


「え?なぜそれが
お分かりになったんですか?


病院に行ったら
3カ月だと言われました。


さすが平野警部。


もしかしたら
超能力でも


お持ちなんですか?」


部下がそう言うと
平尾は少し笑った。


「ははは……まあそんなところだ。


おまえも奥さんが心配だろうが
この事件を解決するまでは


気を抜かず頑張ってくれ」


部下の肩を優しくたたいた平野警部は
ゆっくりと朝の校門から


離れていく。

そして
部下たちは走って車に乗り込み
捜査へと向かっていった。