恋色風船

「どれだけ自分に惚れてる男でも、永遠に片思いさせるなんて、無理だもん。
結局のところ、ただでうっとうしいほど甘やかしてくれるのって、父親だけだよ」


「そりゃそうだ」
麻衣も思わずうなづく。


「だからさー、妻子持ちとつき合ったとして、奥さんには勝てるかもしれないけど。しょせん夫婦って他人だし。
でも、娘にだけは勝てる自信ないんだよね」


「勝とうと思ったことはないけどさ」

そもそも林の妻の座を欲しているわけではない。


しかし男たちとの付き合いに出精しながら、育ちの良さゆえの純さを合わせもつ律子は、男にしてみればなんとも魅力的な存在だろう。