ピーク・エンド・ラバーズ



じゃあ何だ。彼はずっと、私のせいで眠れていなかったとでも言うのか。この一週間、ずっと?


「……意味、分かんない。それで寝不足とか、そんなの聞いてない」

「だって話しかけないでって言うから」

「そういうことじゃなくて!」


思わず声を張り上げた私に、津山くんは目を丸くする。


「寝れないくらい悩んだなら、私に無理やりでも聞けばよかったじゃん。状況が違うよ。今だってそのせいで体壊してるんだから」


何でそこまでして、私のちっぽけな言いつけを守ったんだ。ふらついて頭が痛くてしんどくて倒れそうだったのに。


「そんなの、私のせいじゃん……」

「西本さん、」

「もうやめよ。こういうの全部、リセットしようよ」


戻りたい。純粋に親友の恋路を見守るだけだった、淡泊な関係に。
津山くんは適当に女の子を引っかけて遊んでて、私も別にそんなのどうでもよくて。お互い誰と何しようが干渉しないしされなかった。

私のせいだ。本当の津山くんはこんなんじゃないとか、勝手に押し付けて余計なことをして、彼の大事なところに土足で踏み入った。
津山くんなんてどうでもいいし勝手にすれば、なんて見栄を張っていたくせに、知ったかぶりをして一番の理解者を装って。姑息で卑怯なのは、私の方だ。


「やめるって、なに」