ピーク・エンド・ラバーズ



昔から毎年そうだった。両親と弟と、四人でパーティーをする。
母と私で料理を作って、父がケーキを買ってきて、弟がツリーの準備。家族の仲はいいと思う。それが自慢だった。

だから他の家も当然そういうものだと思っていたけれど、クリスマスは友達や彼氏と過ごす人が意外にも多いことを知って、結構驚いた。


「あー……や、うん。そうだよね。何か逆にごめん」


通話口越しに、津山くんの気まずそうな声が響く。それを聞いてから、「これってもしかしてそういうことか」と気が付いた。


「……イブでも、いい?」

「え?」

「だから、二十五日は無理だけど……前の日でも、」

「いいの?」


食い気味に確認を取ってきた彼に若干おののきながら、「いいよ」と返事をする。

勘違いじゃなければきっと、津山くんは私と二人で出掛けたかったのだと思う。その誘いを受けることはつまり、私も彼に対して無関心でいられているわけではないことを指していた。

それとは別に、人の誘いを断ることは昔から苦手だ。
あからさまに残念そうな顔をされると、多少こっちが無理をしてでも都合をつけてあげたいなと思ってしまう。


「まじか。……どうしよ、いいって言ってくれると思ってなかった」