ピーク・エンド・ラバーズ



違う。興味がないのではなくて、彼に彼女がいないことなんて知っているのだ。
だって、津山くんはそういう人だった。彼女じゃない女の子に、平気で優しくできるから。

勘違いはしたくない。しない。
私がこうして彼と二人でいるのは、私が私だったからじゃない。たまたま、彼の友達と私の友達が付き合ったから。だから、くだらないメッセージのやり取りをしたし、ファミレスでかんぱいもしたし、たい焼きも一緒に食べた。

ただ、それだけ。


「津山くんさ」


それだけなのに、私は免疫がないから、いつも困っている。


「私のこと、好きなの?」


静かに落とした問い。

津山くんは瞬間、盛大にむせて咳き込んだ。
彼にとって私のこれは、突拍子のない発言だったらしい。まあ、それもそうか。だって、そんな概念がないんだもんね、津山くんには。


「いや、そんなわけないのは分かってるんだけどさ。何ていうか……こんなこと、色んな子にしてるんだなあと思って」


普通はこんなことしないんだよ。好きでも何でもない女の子を、必死に引き留めて二人で出掛けたり、そんなの、しないんだよ。


「悪いよねえ、ほんと。優しくするのだめとは言わないけど、こんなんじゃ勘違いされても文句言えないんじゃない?」