ピーク・エンド・ラバーズ



ありがちなやり取りをまともに受け取る津山くんに、内心苦笑する。彼なら冗談で「そうです」と笑って流しそうな気もしたけれど、大人相手となるとそうはいかないようだ。

なぜか私の機嫌を窺うようにこちらへ視線を寄越してきた津山くん。
もしかして、私がこういうことを言われてすぐに怒るタイプだとでも思っているのだろうか。


「知り合い?」


細々とした話は置いておいて、私は彼にそう問いかける。
津山くんはあからさまにほっとしたような面持ちで、ゆるゆると首を振った。


「前にめっちゃ通ってて……仲良くなっちゃっただけ」

「へえ」


それはすごい。やっぱり彼はコミュニケーション能力の塊だ。
いや、まあそれもあるんだろうけれど、彼の纏う雰囲気は人を寄せ付けやすい。どこか人懐っこくて、比較的誰とでも仲良くなれてしまう。


「岬くんは、チョコクリームでええの?」


唐突に飛んできた質問は、味を問うものだった。
女性はにこやかに、まるで自らの子供を甘やかすようなトーンで首を傾げる。


「チョコ……?」


壁に貼ってあるメニュー表をちらりと見れば、あんこ、カスタード、チョコ。三種類のラインナップだった。


「いや、普通にあんこでいいです……」