ピーク・エンド・ラバーズ



ケースケくんが歯切れ悪く受け答えつつ、自身の頬を掻いた。気まずそうに目を逸らした彼の後を、芽依が引き継ぐ。


「加夏がイケメンすぎてびっくりしたわ。私までどきっとしたー」

「はぁ? 何で……」

「いーや。まあ何とゆーか、愛されてますねえ津山氏」


にやりと口角を上げた彼女は、ケースケくんに同意を求めるかのように「ねえ?」と声色を明るくした。


「ははっ、こんな情けないとこ受け入れてくれる彼女なんてそうそういねーよ。岬、マジで西本さんに感謝だな」

「い、言われなくても……」


大事にしてるし、と小声で呟いた岬の瞳が、つとこちらを向く。
恥ずかしいことを散々言われた後だったせいもあって、意図せず顔が熱くなった。

至近距離でかち合った視線と、触れ合った腕と、お互いに赤い頬と。数秒見つめ合う形になってしまい、それから慌てて顔を伏せる。


「……えー、じゃあ私とケースケは買い出しに行ってきまぁす」


ケースケくんのネクタイを引っ張り、芽依が唐突に腰を上げた。ぐえ、と苦しそうな声を上げたケースケくんが不憫だ。


「買い出し? まだ一つも開けてないだろ」

「ばーか、ケースケ、お前はほんっとに馬鹿! KY! いーからはよ立て!」