その言葉通り、私と彼以外はみんな年上だ。
先輩方はたまにふざけることがあるけれど、基本的には優しい。だから同期がいないことに、あまり不満もなかった。
目の前の彼から放たれた要望に、思わず眉根を寄せてしまう。
仲良くしたい? どの面をさげて、あなたがそれを言うの?
「無理に仲良くしなくても、仕事はできると思うけど」
苛立ちに任せて吐き捨てれば、随分と冷たい口調になった。と同時に敬語も外れてしまって、軽く唇を噛む。
「……じゃあ、私、もう着替えるので」
強制的にこちらから会話を切り上げ、踵を返す。
追い縋る声はない。私の意思表示は伝わっただろうか、と一人ため息をついた。
以前のように、相良くん、と呼ぶ気になれるわけはなく、じゃあどう呼べばいいのかも結局よく分かっていない。そもそも、彼の記憶を抹消したかった。
憂鬱な気持ちで私服に袖を通し、結び跡のついた髪を少し整える。ちょっと前まではバイト後の見た目なんてさほど気にしていなかったくせに、と自分自身に野次を入れて、気恥ずかしくなった。
先輩方への挨拶もそこそこに、従業員室を出る。――と、
「……あ」



