ピーク・エンド・ラバーズ



一番髪色明るい人です、と伝えれば、二人は驚いたように顔を見合わせた。


「めっちゃパリピじゃん! すご、てかイケメン~」

「あ、こっち見た。ねえ、加夏ちゃんのこと探してるんじゃない? オーダー取ってきてあげな」

「いやいやいやいや絶対無理です」


普通に友達がバイト先に来ただけでも恥ずかしいのに、彼氏とか耐えられない。
しかもさっきからあの集団、厨房の方めちゃくちゃ見てる。津山くんが私に手を振ったから、絶対勘付かれた。


「じゃあ私行ってくるわ! 近くで見てみたいし」

「す、すみません。お願いします」


任せろ、と夢乃さんがホールへ躍り出る。
私もいい加減さぼるわけにはいかないので、料理を持って仕事に戻ることにした。

なるべく津山くんのいるテーブルには近づかないようにしながら、一時間くらいは何事もなく過ぎていった。
三組ほど一斉に会計のラッシュが来てレジを終え、ありがとうございました、と頭を下げる。顔を上げた瞬間、目の前に突然津山くんが現れたから、驚いて声が出そうになった。


「すみません。お手洗いってどこにありますか?」


動揺したのも束の間、彼は至って愛想良く尋ねてくる。
なんだ、普通にお客として振舞ってくれるんだな、と安堵し、私も口角を上げた。


「店内出て右にあります。少し遠いんですが……」

「加夏ちゃん」