思い返せば母上の命令に意見をするのは初めてのこと。でも結局はただの意見、ダメだと言われたすんなり引き下がるしかない。
でも言うしかないと思ったのはあまりにも有希乃が可哀そうだから。オレのために助歌に歯向かってくれたのに何も出来なかったオレの懺悔。
駄目もとでもやるしかない。出来ることがあるならやるしかないだろう。
だからオレは一呼吸おいてゆっくりと母上の部屋をノックした。
夕方ならば確実に母上はいる。それは分かっているからこそオレはこのタイミングしかないと判断した。
案の定、母は応答した。
「誰ですか」
「オレです、灼蜘」
「灼蜘から訪ねてくるのは珍しい。ドアは開いてます、入ってきなさい」
「はい」
そうしてオレは部屋に入った。
自らの意思で母上の部屋に入るのはいつぶりだろうか? 恐らく小学生の時によく宿題を教えてもらって以来だろう。
だけどオレは母上の部屋を忘れたことはなかった。それは何年ぶりに入った母の部屋だというのに久しぶりという感覚がなかったから。
印象的なのがまるで秘書室のような部屋であり、それが母上、個人の部屋。寝室などはもちろんのこと別である。
飾られているのは古い文集を掛け軸のようにたて掛けている。芸術的な作品の数々はどうやら父の書いたものらしい。
――というか、この部屋にある全ての物はほとんどが父の作品らしい。父は暇になれば何かを作ることをしていたらしい。しかも初心者のくせにプロ級の腕前と、本当に父は何をやらせても出来るらしい。
オレはまぁ出来ないこともないけど、きっと初心者の初々しい作品程度で止まる。
でも言うしかないと思ったのはあまりにも有希乃が可哀そうだから。オレのために助歌に歯向かってくれたのに何も出来なかったオレの懺悔。
駄目もとでもやるしかない。出来ることがあるならやるしかないだろう。
だからオレは一呼吸おいてゆっくりと母上の部屋をノックした。
夕方ならば確実に母上はいる。それは分かっているからこそオレはこのタイミングしかないと判断した。
案の定、母は応答した。
「誰ですか」
「オレです、灼蜘」
「灼蜘から訪ねてくるのは珍しい。ドアは開いてます、入ってきなさい」
「はい」
そうしてオレは部屋に入った。
自らの意思で母上の部屋に入るのはいつぶりだろうか? 恐らく小学生の時によく宿題を教えてもらって以来だろう。
だけどオレは母上の部屋を忘れたことはなかった。それは何年ぶりに入った母の部屋だというのに久しぶりという感覚がなかったから。
印象的なのがまるで秘書室のような部屋であり、それが母上、個人の部屋。寝室などはもちろんのこと別である。
飾られているのは古い文集を掛け軸のようにたて掛けている。芸術的な作品の数々はどうやら父の書いたものらしい。
――というか、この部屋にある全ての物はほとんどが父の作品らしい。父は暇になれば何かを作ることをしていたらしい。しかも初心者のくせにプロ級の腕前と、本当に父は何をやらせても出来るらしい。
オレはまぁ出来ないこともないけど、きっと初心者の初々しい作品程度で止まる。

