「負けた?」
「そ、負けた」

家に帰ってからとりあえず母さんに状況を報告した。
嘘をつく意味がないから全ての出来事を。

母さんは納得して聞いているようだが絶対に受かるとは言えないようだ。むしろオレの行動に疑問を持っただろう。色々と意味のない行動をしたから。
けどそれは言われなかった。言われたのはオレの考え。
オレ自身が受かると思っているかどうか、けどそれは五分五分としか言いようがない。

今、オレが報告したのは母さんの後、部屋で待つ有希乃にした。少し戸惑っているのは言うまでもない、オレの敗北だろう。あれだけ特訓してくれたのに一般人に負けたんだ。それは師匠的に複雑な心境だろう。
あまりに驚いているように感じたオレは詳しく、状況を話してやった。すると有希乃は頷きながら言う。