勉強でも訓練でも、今はもう助歌が見ている。それもそうだろう。有希乃はいないのだから。
オレはただ言われたことだけをやり続けている。自分から前に進もうとか、今日は別なことなどしようとは思わない。
だって、いくら足掻いてもどうせ未来など決まっているのだから。やることなど従っていればいい。

「それでは今日はここまでにしましょう。それともまだ続けますか? もう少しくらいなら出来ますが」
「そうしろというなら従う」
「いえ、そうゆう訳ではないのですが……」
「それで?」
「いえ、もう今日はいいでしょう」
「……」

助歌が終わりを告げると同時にオレは部屋から出て行く。
後は自分の部屋に戻って、風呂に入るだけ。休みの時間だから有希乃の部屋に行ってもいいだろうな。
――そうしてオレはまた、有希乃の部屋に行ってから寝た。