河田さんもまた、シャンデリアに視線をやったままで答えた。
「とても綺麗な女性だったよ」
昔を懐かしむようにそう言う河田さんに、あたしは違和感を覚えた。
とても綺麗な女性。
そう言いきれると言う事は『お客様』の腐敗がほとんど進んでいない状態で解体した。
もしくは、『お客様』がゾンビになる前から知っている人だった。
そのどちからだった。
そして河田さんの今の発言からすると、後者の方が当てはまるのではないかと思った。
「……恋人だったんですか?」
小さな声でそうきいた。
聞き取れなかったならそれでいいと思ったのだが、河田さんの耳にはちゃんと届いていたようだ。
「いや、恋人にはなれなかった。でも、好きだったよ」
「告白はしなかったんですか?」
あたしはようやく河田さんの横顔を見た。
目を細め、ジッとシャンデリアを見つめている。
「イトコだったんだ。告白したくても、どうも抵抗があってね……」
河田さんはそう言ってあたしを見て、そして照れたように頭をかいた。
「とても綺麗な女性だったよ」
昔を懐かしむようにそう言う河田さんに、あたしは違和感を覚えた。
とても綺麗な女性。
そう言いきれると言う事は『お客様』の腐敗がほとんど進んでいない状態で解体した。
もしくは、『お客様』がゾンビになる前から知っている人だった。
そのどちからだった。
そして河田さんの今の発言からすると、後者の方が当てはまるのではないかと思った。
「……恋人だったんですか?」
小さな声でそうきいた。
聞き取れなかったならそれでいいと思ったのだが、河田さんの耳にはちゃんと届いていたようだ。
「いや、恋人にはなれなかった。でも、好きだったよ」
「告白はしなかったんですか?」
あたしはようやく河田さんの横顔を見た。
目を細め、ジッとシャンデリアを見つめている。
「イトコだったんだ。告白したくても、どうも抵抗があってね……」
河田さんはそう言ってあたしを見て、そして照れたように頭をかいた。