寝ているらしいその人は私が近づいてもピクリとも動かない。 寝てるの? こんなところで? ビュービュー容赦なく吹き付ける風。 真っ平らな硬いコンクリートのこの場所はお世辞も寝心地がいいとは思えない。 私は彼の隣に座った。 「そういえば名前も分かんないな。誰なんだろう。」 無意識に出た独り言。 「それ、誰のこと」 えっ 見るとさっきまで寝っ転がっていた青年が起きて 眠そうに目をこすりながら起き上がってこっちを見ていた。