女王はそう言って私の背中を押した。徐々に、体が浮く感覚になっていくのが わかる。 人間界に、飛ばされてる。 「わたしは、あと数日で死にます。それまでは、スズと過ごすわ。 あなたのことは、今までみたいに、見守ってる。」 そう言って私に向かって、初めて母親のような笑顔で微笑んだ。 周りが真っ白になっていく。 もう人間界にいく。そのギリギリに、かすかに女王の声が聞こえたような 気がした。