車から男が降りた。
両眼が爛々《らんらん》とした黄金色に輝いている。
黄金色の光のようなものが、宙に浮いて彼のそばにたゆたっている。
ぼくの心臓の鼓動が騒いだ。
玄獣珠がざわついているせいだ。
ほかの三つの宝珠の気配が濃くなったのも、あの光のようなものの毒気に当てられたためだろう。
「文天堂祥之助」
ぼくがつぶやくと、さよ子さんが目を真ん丸にした。
「あのイケメン、海牙さんの知り合いなんですか?」
「大都高校二年生の成績優秀な御曹司ですよ」
「イケメンだけど、ちょっと性格悪そうですねー」
「ぼくとベクトルは違いますが、絶対値でくくって比べても、ぼくよりあっちのほうがひどいと思います」
「それは相当ですね!」
「さよ子さん、とにかく下がっててください」



