LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―



帝王が高笑いをした。黄金色が唱和した。


なんて鬱陶しい協和音。


やめて。いい加減にして。


わたしのココロの中で、勝手なことばかり。


せめて、彼らだけでも解放して。死なせないで。



黄金の宝珠が、ざらざらした声を響かせる。



【ココロの主が抵抗しておる。こやつを解放せよ、と。笑止千万。おぬしも薄々気付いておろうに。他人のココロの迷宮に長く滞在した者は、必ず死ぬ】


死ぬ? 待って。


彼らは眠って夢を見ているのと同じ状態だと、あなた、言ったでしょう?


なぜ彼らが死ななければならないの?



【ココロの主よ、おぬしはこやつらを受け入れておらぬ。拒絶し、苦痛を与え、今なお棺に閉じこもっておる。こやつらが消耗しておるのは、おぬしのせいだ】



彼らを殺そうとしているのは、わたし?



【もはや、こやつらは自力で迷宮から出られぬ。しかし、おぬしのココロは厄介よのう。拒絶しつつ、孤独を嫌って、こやつらを放そうとせぬ】



違う。わたしは孤独でかまわない。


そう覚悟して生きてきた。