でもまあ、何だかんだ言っても、情報量の多さはメリットのほうが大きい。
例えば、今日、リアさんを数値的に精密に見て記憶しておいたから、かなり確度の高い脳内再現が可能だ。
逆に不思議に思うのだけれど、ぼくのような正確な視覚を持たない普通の人々は、どんな基準で以て「美人だ」「スタイル抜群だ」と判断するんだろう?
ずいぶん曖昧な評価しかできないはずだ。
「そうだ、リアさんに連絡」
ぼくは椅子から立って、ベッドに腰掛けた。
かわいくないイヌワシは、枕の上に転がしてあった。
懐に突っ込んだままの紙片を開く。
「ナガエ リア」とカタカナ書きの名前の下に、電話番号。
メールアドレスと、トークアプリの検索IDも添えてある。
ぼくは、いちばん手頃なトークにメッセージを打ち込んだ。
〈こんばんは、午後にお会いした阿里海牙です〉



