LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―



それからぼくは部屋に戻って、授業の課題を片付けた。


理系科目は、途中の計算式を書くのが面倒で仕方ない。


問題を見ただけで答えがわかるのに、ひたすら徒労。


この面倒があるから、理系科目は案外嫌いかもしれない。



全国模試の順位はいつも一桁だ。


中学時代からずっと、学校の定期試験で一番以外を取ったことがない。



理系科目は言うまでもなく、絶大なアドバンテージがある。


文系科目はそれなりにきちんと勉強している。


でも、普段から膨大な情報量に接しているぼくは、現代日本語だろうが古語だろうが英語だろうが、読んで理解するスピードが速い。



文字を読めるようになるのは、実はけっこう遅かった。


紙に書かれた文字が情報を持つことを、なかなか理解できなかった。


素材である紙やインクの情報にばかりに目が行っていた。



どうやって文字というものを理解したんだっけ?


たぶん、母の手作りクッキーが最初だ。


真ん中にひらがなが一文字浮き出る、タイル状の型抜きクッキーだった。