わたしのココロの最奥部は、黒曜石でできているかのように艶めく漆黒の部屋だ。
哀しくなるほど冷たい部屋だった。
帝王を名乗る少年が、棺の中のわたしと、そばに倒れ伏した四人を見下ろしている。
わたしは棺に横たわって目を閉じたまま、別の場所にも意識を持っていて、どこか遠くから黒い部屋の情景を眺めている。
帝王は、そのチカラの源である黄金色に向けて笑ってみせた。
「ごらん、やっと四獣《しじゅうしゅ》が手に入るよ。これでボクたちのチカラも完璧なものになる」
【左様。あるべき姿に戻るときが来た】
ぎらぎらと光る黄金色は、四つに砕けた宝珠だ。
せわしなく明滅しながら宙に浮かんでいる。
完全な球形に戻りたそうにくっつき合っては、結局、一つになれずに四つのバラバラの姿で帝王の横顔を照らす。



