LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―



「ほんの二十分程度でしたが、楽しめました。女性は年上のほうがいいですね」



年上だから、だと思う。


リアさんに近寄られても、手を握られたことさえ、不快じゃなかった。



「またすぐに会えるよ。彼女やその弟は、海牙くんの行く末に多大な影響を与える。今、運命が分岐するポイントに差し掛かったようでね」


「運命が分岐、ですか?」


「正確には、運命の一枝《ひとえだ》の分岐だな。何が起こり得るか、『秘録』で読んだことがあるだろう?」


「ええ。四獣珠を始めとする宝珠について記されていて、その来歴や預かり手の役割にも言及されていましたね」


「運命の一枝、と例えられる、この世界の在り方についても」


「記憶しています」



運命は、多数の可能性の枝を持つ大樹の姿をしている。


ぼくが生きるこの世界は、ある一枝の上に存在する。


別の一枝の上には別の世界があって、別のぼくが生きている。



総統には、この一枝の生長が見て取れるという。それが総統のチカラだ。