ぼくの預かる玄獣珠は、単独の存在ではない。
四獣珠のうちの一つだ。
中国の伝説に登場する四聖獣が、それらにチカラを授けたという。
玄獣珠は玄武。
朱獣珠は朱雀。
青獣珠《せいじゅうしゅ》は青龍。
白獣珠《はくじゅうしゅ》は白虎《びゃっこ》。
四聖獣とは、そもそも、物事に備わる四つの「特徴」を象徴する存在だ。
四分類される「特徴」には、例えば、色、方位、季節、物質あるいは物性、感情、体の部位、味覚などがある。
玄獣珠に備わるのは、玄《くろ》と北、冬、水、哀しみ、腎臓や耳、塩辛さなど。
占いや東洋医学では、そうした「特徴」をすべて覚えておくことが重要らしい。
ぼくにはさして興味がない。覚えたところで何かの役に立つとも思えない。
預かり手のチカラとそれらの「特徴」は、相互に関連しない。
チカラは、預かり手自身の個性に由来するそうだ。



