ぼくはシンプルなシャツとジーンズに着替えた。
玄獣珠のペンダントは、どんなときも肌身離さず付けている。
直径23mm。
未知の無機物質から構成される、玄獣珠。
鉱物の一種には違いないのに、生体反応に似た「何か」が感じられる。
ぼくは玄獣珠を決して視界に入れない。
触れる肌から感じ取るチカラを、ぼくの目では解明できない。
力学《フィジックス》のチカラを介して見る玄獣珠には、読めない文字が、びっしりとたかっている。
文字がうごめくありさまは気味が悪い。
宝珠は奇跡の存在だ。
人の願いを叶える。
願いに相応の代償を食らって、奇跡を生み出すんだ。
願いが大きければ、代償も大きくなる。



