二年前の四月に出会った。
曖昧なまま、春と夏を過ごした。
九月になって、花火大会の夜。
弟に告げられた待ち合わせ場所に、弟たちはいなかった。
ごゆっくりどうぞ~、とスマホに弟からのメッセージ。
わたしと海牙くんは、まんまと作戦に引っ掛かってしまったというわけ。
浴衣の着付けをしてあげた海牙くんと、それなりに気合を入れて和服を着たわたし。
二人で花火を眺めた。
キレイね、と言ったら、海牙くんらしい答えが返ってきた。
「ただの炎色反応ですよ」
「何それ」
思わず笑った。その次の海牙くんの言葉に、息を呑んだ。
「リアさんのほうがキレイです」
見上げると、真剣なまなざしがそこにあった。
「何、それ……」
ぱん、と遠くで弾ける花火の音。
「付き合ってもらえませんか? リアさんのことが好きなんです」
返事は保留にしてしまった。頭が真っ白だった。



