食事にだいぶ満足してきたころ、先に食べ終わった理仁くんがぼくを呼んだ。
「海ちゃん、一つ、約束してほしいんだけど」
「何ですか?」
理仁くんの朱っぽい目が微笑んでいた。
「姉貴と付き合うなら、中途半端なこと、すんなよ? ああ見えて、ほんと、傷付きやすいから。
大事にしてほしいし、嘘つかないでほしい。本物の本心で、マジの真心で、想ってやってほしい」
絶対の約束をできるほど、ぼくは自分を強い人間だと思っていない。
でも、理仁くんの信頼を損ねたくはない。
「ぼくにできる最大限の努力をしますよ」
精いっぱい、そう言った。



