アジュさんの車に回収してもらったのは、まだ深夜と呼べる時間帯だった。


ココロの迷宮をさまよった時間は、中で体感していたより短かったらしい。



総統の屋敷に戻って、夜食をつまんで、報告もそこそこに、各自の部屋や客室に引っ込んで眠った。



疲労の度合いには、差があったみたいだ。


煥《あきら》くんと鈴蘭さんは、普通に起きて登校した。


リアさんも、きちんと起きて仕事に行った。


すでに一日欠勤しているから、それ以上は休めなかったらしい。



ぼくと理仁《りひと》くんがいちばん長く寝た。


目が覚めたのは夕方近くだった。


リアさんよりダメージが深いとは思っていなかったから、驚いた。