恥ずかしい、苦しい、くすぐったい、痛い、苦い、じれったい、切ない。
そして、甘くて熱い。
胸の中に沸き返る感情のせいで、また涙が出そうになった。
変だな。そんなの、柄でもないのに。
「リアさん」
「何?」
口が勝手に動いた。
「ぼくは頑張りましたから、ごほうびにデートしてください」
支離滅裂だ。
リアさんが胸を震わせて笑った。
「変わり者の大秀才が、どうしたのよ? 何を言い出すかと思ったら、急に普通の高校生になっちゃって」
「先入観や固定観念があれば、そこから逸脱したくなるんです。ぼくだって、恋くらいしますよ」
言葉の持つチカラは絶大だ。
恋、と口に出した瞬間、この気持ちから逃れようがなくなった。
ぼくは、リアさんのことが好きだ。