慌てた様子の煥くんの顔に、数値が重なって見えた。
顔の縦方向の中心軸から各パーツへの距離。各パーツ同士の位置関係。
整然とした数値の群れは、ぼくの目にとって、きわめて美しいものだ。
「やっぱりイケメンですね、煥くんは」
「は?」
「心意気だけでなく、顔のパーツの座標もね。黄金比って知ってます?」
支えてくれていた煥くんから体を離す。
煥くんが目を輝かせた。
「チカラ、戻ったのか!」
「ご心配をおかけしましたが、無事にね」
【もちろん、おれもね~。ってことで、早速お仕事! 隠れてる黒服の皆さん、全員カモ~ン!】
忘れていたけど、そうだった。
このホールには、黒服の戦闘要員が、あちこちに潜んでいるはずだ。



