大丈夫とは言ったものの、リアさんはよろけた。


ちょうどぼくの胸に倒れ込んでくる格好だった。


ぼくの肩に手を掛けて、体を支える。



「やっぱりゴメン、ちょっと貧血みたいな感じ」


「だ、大丈夫ですか?」



真上から胸の谷間がのぞける。



【絶景だ】



思わず、その一つずつの直径をあてずっぽうに目測した。


ああもう、力学《フィジックス》が戻っていれば……。



「こら」



視界がリアさんの手のひらでさえぎられた。



「す、すみません」


「正直なのよ、きみは」


「ごめんなさい」



「そういう軽率な視線を誰にでも向けちゃダメよ」


「しません、やりません」

【リアさん以外の人には向けません】


「……そういうトコかわいいから、ひとまず許す」


「すみません」

【やった】