【ここに鍵穴があります。きみなら鍵になれるはずだ。だって、きみが、ぼくとリアさんをつないでくれた。ゲーセンで。それから、連絡先も】 ワンコインぶんの、生まれて初めてのデート。 画面越しに電波を介して交わしたトーク。 特別だったんだ。 思い出すだけで、笑いたくもなるし泣きたくもなる。 【鍵になれ】 イヌワシの体が黒く輝きながら縮んでいく。 壁のひび割れから入り込んでくる風に乗って、羽根のようにふわふわと浮いて、輝きが新たな姿を形作る。 漆黒に艶めく鍵が、ぼくの手に収まった。